夜の殺意

エピソード文字数 234文字

 夜がぎらついている
 朝への殺意を隠そうともしない
 もう暁はやってこない
 眠りこけている太陽を夜が(くび)り殺したから
 もう鳥たちは黎明(れいめい)を告げない
 愛し子の宿る卵を夜がすべて踏み砕いたから
 もう朝顔は花を咲かせない
 豊穣(ほうじょう)を約束した大地を夜が根こそぎに腐らせたから
 もう神は人間を見つけられない
 人のこころも魂も夜が死のような闇で覆ったから
 夜が朝を殺してしまった
 夜がすべてを呑み込んでしまった
 夜はそのあと自殺した
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み