四月の雪

文字数 260文字

 四月に雪が降ることについて
 歌った歌を聴いていると
 いまが四月であることとか
 歌った人が死んだこととか
 いろいろなことを思い出す
 知っていることや憶えていることも
 思い出すことをやめてしまうと
 記憶から離れてしまう気がする
 いまが四月であることは知っている
 でも思い出さなかった
 その人が死んだことは知っている
 でも思い出さなかった
 四月に雪が降ることについて
 歌った歌を聴いていて
 知っているはずだったこと
 憶えているはずだったこと
 降っていたはずの雪のように
 記憶から溶けたくさぐさの想い
 いろいろなことを思い出す
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