朝まだきの詩

文字数 140文字

 朝まだき
 光がうらうらと寝ぼけ眼
 カーテンが秘密めかして透ける
 屋根瓦が人肌のように温もる
 鳥の倍音
 雲の(きぬ)ずれ
 だれかの気配で天が仰向く
 うつむいた夜空が薄明に失跡(しっせき)する
 大気圏が
 本日の死者に印をつけて
 記憶した月は
 夜までかくれんぼ
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