閉ざされた窓

エピソード文字数 287文字

 この世界にはいくつの窓があるのだろう
 夜明けが来て
 あちこちで窓が一斉に開かれる
 生活に呼び入れられる微風
 パラレルワールドのように分岐していく風の通り道
 それでも風は迷わない
 訪ねるべき窓を知っている
 受け入れてくれる窓を知っている
 そしてこの世界には
 いくつの開かれない窓があるのだろう
 風の通らない死んだ窓
 永遠に鍵のかかったままの錆びついた窓
 またひとつ世界から窓が閉ざされる
 もう朝は来ないのだと言うかのように
 もう風に触れるのはごめんだと言うかのように
 その閉ざされてしまったおびただしい窓のことを思うと
 ぼくはとても寂しくなる
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