麻痺
文字数 403文字
陰気きわまりない高校生だったころに
ネットを検索していて
紛争地帯の凄惨な映像に出くわした
集団に囲まれてナタのようなもので切りつけられている男性や
おびただしく横たわっている損壊の激しい子どもの死体などが
モザイクもぼかしもなく映っていた
ひととおり見ていると
精神の一部が壊死していくような感覚があったが
何日か間を置いてから
もういちど見てみることにした
あいかわらず神経をすり減らされるけど
すでにして感覚は麻痺していた
憑かれたようにその後も繰り返し見たが
だんだんなにも感じなくなった
でもそれはあくまで表面で
こころの奥底では
どうやらまずい事態が進行していたらしく
眠ったときに
すさまじく不気味な悪夢を見た
内容はもはや語れないし
感触のみしか残っていないけれど
あの悪夢を境にして
感覚の麻痺はもう
取り返しがつかなくなったような気がする
ネットを検索していて
紛争地帯の凄惨な映像に出くわした
集団に囲まれてナタのようなもので切りつけられている男性や
おびただしく横たわっている損壊の激しい子どもの死体などが
モザイクもぼかしもなく映っていた
ひととおり見ていると
精神の一部が壊死していくような感覚があったが
何日か間を置いてから
もういちど見てみることにした
あいかわらず神経をすり減らされるけど
すでにして感覚は麻痺していた
憑かれたようにその後も繰り返し見たが
だんだんなにも感じなくなった
でもそれはあくまで表面で
こころの奥底では
どうやらまずい事態が進行していたらしく
眠ったときに
すさまじく不気味な悪夢を見た
内容はもはや語れないし
感触のみしか残っていないけれど
あの悪夢を境にして
感覚の麻痺はもう
取り返しがつかなくなったような気がする