雑草モノローグ
文字数 449文字
草を見ていた
雑草だった
ぼくが名前を
知らないだけだけど
緑だった
上にのびていた
揺れていた
震えていた
空は雑草に
気づかなかったけど
わかっているよ
明日はもう
この雑草を
思い出せない
記憶はとても
忙しいから
緑はとても
ありふれているから
水が空から降 ることを
雨と呼んでいる事実なんて
おまえはきっと知らないだろうね
自分の名前を知らないように
希望の呼び名も知らないんだ
でも濡れたときの幸福は
知っているだろう
その充実感を
感じられないはずはないはずだ
それが愛だから
古くからある愛だから
だれの愛かは
わからないけど
しおれてつぶれて枯れてたって
ぼくのせいではないけれど
だれかのせいではあるかもね
おまえは緑色
ぼくは肌色
おまえは植物色
ぼくは人間色
色の違う生物同士は
お互いを差別するものらしい
おまえ
夜は
どうしてるんだ
光のなさに
耐えきれるのか
雑草だった
ぼくが名前を
知らないだけだけど
緑だった
上にのびていた
揺れていた
震えていた
空は雑草に
気づかなかったけど
わかっているよ
明日はもう
この雑草を
思い出せない
記憶はとても
忙しいから
緑はとても
ありふれているから
水が空から
雨と呼んでいる事実なんて
おまえはきっと知らないだろうね
自分の名前を知らないように
希望の呼び名も知らないんだ
でも濡れたときの幸福は
知っているだろう
その充実感を
感じられないはずはないはずだ
それが愛だから
古くからある愛だから
だれの愛かは
わからないけど
しおれてつぶれて枯れてたって
ぼくのせいではないけれど
だれかのせいではあるかもね
おまえは緑色
ぼくは肌色
おまえは植物色
ぼくは人間色
色の違う生物同士は
お互いを差別するものらしい
おまえ
夜は
どうしてるんだ
光のなさに
耐えきれるのか