痛みと殺意
文字数 246文字
殺人鬼を語り手にしたアメリカの小説を読んでいて
その行為自体にはまったく共感できないし
バカバカしいくらいに突き放されて描かれてもいたが
私には常に鋭い痛みがある
その痛みが他人に振りかかればいいと思うくらいだ
そう独白する瞬間には
こころを動かすものがあった
痛み
それはだれもが抱えているのだろうか
殺された人間も
殺した人間も
痛みに気づかない人間にも
痛みは存在しているのだろうか
そのことをどう考えれば
痛みをどう名指せば
殺意を和らげられるのだろう
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