夕方ではない朝
文字数 367文字
ぼくはなにがしたいのだろう
なにを望んでいるのだろう
明日も待たず
人に期待せず
それでも死なず
また起きて
水を飲んで
空気が澄んで
夕方ではない朝は
どこか冷たくて
他人事で
人ではない人が
歩いているようで
鳥を見たような気がした
空をあおいだ
いなかった
きっと今夜の記憶では
鳥がいたことになっている
日々の改竄
なおも続いて
坂道の傾斜が
いつもよりなだらか
たぶん
そんなに悪い気分ではない
足音が静かだから
電線は
だれの神経網なのだろう
街は
くしゃくしゃに歪めた無表情
ポケットに手紙がある気がした
指で探った
なにもなかった
きっと今夜の記憶では
便りがあったことになっている
望みの捏造
断ち切れなくて
ぼくはどこにいるのだろう
どこに向かっているのだろう
夕方ではない朝が
歩くのを誘って
生きるのを拒んで
なにを望んでいるのだろう
明日も待たず
人に期待せず
それでも死なず
また起きて
水を飲んで
空気が澄んで
夕方ではない朝は
どこか冷たくて
他人事で
人ではない人が
歩いているようで
鳥を見たような気がした
空をあおいだ
いなかった
きっと今夜の記憶では
鳥がいたことになっている
日々の改竄
なおも続いて
坂道の傾斜が
いつもよりなだらか
たぶん
そんなに悪い気分ではない
足音が静かだから
電線は
だれの神経網なのだろう
街は
くしゃくしゃに歪めた無表情
ポケットに手紙がある気がした
指で探った
なにもなかった
きっと今夜の記憶では
便りがあったことになっている
望みの捏造
断ち切れなくて
ぼくはどこにいるのだろう
どこに向かっているのだろう
夕方ではない朝が
歩くのを誘って
生きるのを拒んで