区別されない日々
文字数 212文字
きょうの空を
思い出せない
それは重症に思えた
区別されない日々
風も吹かず
静置されて
一秒ごとの
空の様子を
精緻に記述した日記があれば
膨大なページが
一日に費やされることだろう
何冊も何冊も
終わりなく
そんな日記はだれにも書くことができない
神を除いて
ぼくの記憶の乏しさ
ぼくの日記の貧しさ
砂粒ひとつすら
満足に捉えられない
出会った人の顔
こころに浮かんだ痛み
すべて消えていく
消えたことすら思い出せずに
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