空を歩いていた廃人

エピソード文字数 267文字

 廃人が空を歩いていた
 時おりカラスとぶつかっていた
 電線をまたいで
 一歩、二歩、三歩
 運命のように立ち止まり
 ポケットからじゃらじゃらとビー玉を取り出して
 上の空のままばらまくと
 廃人の足下から地面まで
 橋のようにビー玉の虹が架かった
 その橋の上を
 一歩、二歩、三歩
 偶然のように立ち止まり
 懐から水鉄砲を取り出して
 口笛を吹きながら何度も引き金を引くと
 廃人の降り立つ地面に
 鏡のような水たまりの絨毯が敷かれた
 そうしてようやく
 空を歩いていた廃人は地面にたどり着き
 おとなしく病院に収容された
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