自分よりも気になる風景
文字数 224文字
人が遠い
自分も遠い
自分からさえも置いていかれたぼくは
だれなんだろう
なんなのだろう
曲がり角の向こうへ自分の後ろ姿が消えていく
追いかけていた足が止まる
いま追いつかなければもう二度と自分を見つけることは出来ないのに
自分を見失う心配は放っておいて
路上の敷石のパターンに魅了される
庇にくつろぐ鳥たちが気にかかる
信号機の点滅の間隔を計りたくなる
人には言えないそんな間抜けさで
ぼくは自分を見失った
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)