人生に意味がないとして

エピソード文字数 455文字

 客観的に見ると
 人生に意味はない
 内側から見ると
 どうだろう

 どうなのだろう
 人生は
 自分の人生を意味あるものとは思えない
 ただ
 だれかの人生が
 無意味な生涯だったと断じられたときの
 ふつふつとわいてくる怒りは
 まだ人生を
 意味あるものと思っていた頃の名残りか

 意味づけはときに暴力的だ
 無惨に死んだ人間を
 大義のために殉じたなどと意味づける言説は
 全力で軽蔑すべきだと信じてきた
 いまもそれは変わらない
 死者を無視した死者への意味づけは
 許しがたい冒瀆としか思えない
 そこで語られる必然性の
 寒気がするほどの欺瞞と嫌らしさ

 無意味だけれど
 笑いあおう
 優しくしよう
 愛しあおう
 楽しく遊ぼう
 そして死のう
 無意味だけれど
 与えられた生を慈しみ
 死んでしまった者を葬り
 無意味のままに
 哀しみ、悼み、忘れずにいよう
 そんなふうに語るのは結局のところ
 人生には意味があると
 生はなにごとか稀なるものであると
 語っているのと同じことか
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