夕焼け狂い

エピソード文字数 278文字

 夕空が赤く染まるたびに
 世界の終わりを眺めているような気持ちになる
 実際のところそれは真実だった
 日々に世界は終わり続けている
 夜という死が一日を終わらせる
 死に際の空は美しい
 下界の輪郭が溶けていく
 ビルも家屋も歩行者も
 一様に影となっていく
 影が引き連れた影が深くなる
 電線が黄昏を三つ編みに絡ませている
 鳥たちが夕闇に群がっている
 遊び疲れた子どもたちが
 鬼たちの目を盗んで公園から帰路につく
 湖に今日も死体が浮かぶ
 路地裏に墓標が建てられる
 遊歩道で人が(さら)われる
 そのすべてに夕暮れが(たたず)んでいる
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