燃えるのはいつ

文字数 202文字

 人はちょうどよく死にはしない
 いつも早すぎるか遅すぎる
 雲のまがきが紫に染まる
 他人が柩ごと燃えているあいだ
 おれが燃やされるのはいつだろうと
 だれかの宣告を待ちつづけた
 ぼくの遅すぎる死
 宙に浮かんだ待ちぼうけ
 いらない未来が火葬色に染まる
 ぼくはちょうどよくこころが砕けた
 あとはただ
 時差が埋まるのを待つばかり
 待つのはつらい
 待たなくてもいい
 早く来い
 早く燃えろ
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