黄泉に沈む

エピソード文字数 222文字

 沈む
 床が沼よりも脆い
 手でつかめる救済がどこにもない
 沈む
 つま先から沈んでいく
 肋骨が隠れたあたりで死が見えてくる
 鼻の下まで浸かりきったところでなにか最期にしゃべりたくなる
 沈む
 沼の底のいい景色
 (あくた)のたまる黄泉のお祭り
 肉の剥がれたぼくの骨格が
 水底(みなそこ)でぶざまな平泳ぎ
 しばらくは楽しめる冥府の遊泳
 そうして骨さえがもそもそとした粉塵に分解されると
 黄泉の水が
 そのぶんだけ少し濁った
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