真空地帯

エピソード文字数 324文字

 息をした
 意味がない
 道を歩いた
 意味がない
 人と話した
 意味がない
 本をめくった
 意味がない

 一挙一動に意味がない
 生存に意味を感じられない

 水を飲んだ
 意味がない
 歌を聴いた
 意味がない
 詩を書いた
 意味がない
 急に叫んだ
 意味がない

 恋をした
 すべてに意味があるように感じた
 恋を失った
 すべての意味が消えるのを感じた

 わたしの生は無意味だ
 わたしの言葉は無意味だ
 わたしの愛は無意味だ
 わたしの慟哭は無意味だ
 わたしの神は無意味だ
 わたしの目にしたすべては無意味だ
 わたしにまつわるすべては無意味だ

 意味の消え失せた真空地帯
 魂が酸欠になりながら
 いまももがいている
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