傷と詩

文字数 171文字

 傷口が詩を生産する
 傷を癒やすはずだった詩は
 一向に本来の役目を果たさず
 傷口を爪で掻きむしるばかり
 この傷
 書く前よりひどくなってないか
 掻くごとにひどくなってないか
 傷口が詩を生産する
 生産された詩は
 だれかに読まれることもあるのだろうか
 だれかを癒やすことはあるのだろうか
 だれかの傷さえも掻きむしるだけだろうか
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み