明るさを信ぜず
文字数 269文字
なぜ暗い方ばかり見るのか
明るさに顔をそむけなければ
もっと楽しいはずなのに
なるほどたしかに
ぼくもそうは思うけど
ぼくがもっとも明るかったころ
ぼくは他人を踏みにじっていた
明るいままに罵声を浴びせていた
その事実を
痛みとともに思い知らされて以来
明るさへの不信感は拭いがたい
“悪には悪を想像する力がない”
酒好きの詩人のそんな一節
“アカルサハホロビノスガタデアロウカ”
情死した作家のそんな一文
暗さの基 を堅固にするため
そんな言葉を持ち出すほどに
ぼくは明るさが信じられない
明るさに顔をそむけなければ
もっと楽しいはずなのに
なるほどたしかに
ぼくもそうは思うけど
ぼくがもっとも明るかったころ
ぼくは他人を踏みにじっていた
明るいままに罵声を浴びせていた
その事実を
痛みとともに思い知らされて以来
明るさへの不信感は拭いがたい
“悪には悪を想像する力がない”
酒好きの詩人のそんな一節
“アカルサハホロビノスガタデアロウカ”
情死した作家のそんな一文
暗さの
そんな言葉を持ち出すほどに
ぼくは明るさが信じられない