存在したくない

エピソード文字数 280文字

 前から思っていた
 存在したくないなって
 子どものころに
 なんで食べなきゃならないのかと
 泣きわめいたことがあったけれど
 食べたくなかったんじゃなくて
 存在したくなかったんだ
 いるだけで苦痛だったんだ
 わたしが存在しない場所に
 行きたいな
 だれもわたしが見えなくて
 だれもわたしに(さわ)れない
 わたしのいない安らかな地平で
 わたしは眠り
 息をつき
 詩を読むように水を飲み
 ふとしたときに
 わたしの非存在を思い出す
 矛盾がわたしに追いつく頃
 わたしは悔いなく消えられるだろう
 猫をなでる手の
 残像だけ少しばかり残して
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