ジャッキー・チェンは椅子の哲学者

文字数 232文字

 ジャッキー・チェンのアクション映画を見ると
 椅子は座るためだけに存在するのではないと
 蒙を啓かれたような認識を得る
 椅子は武器になり
 盾になり
 跳躍を補助し
 回転の軸となり
 敵となり
 味方となる
 これほど椅子を酷使する人はいないのではないか
 椅子でどれだけ遊べるか
 椅子がどれほど空間を豊かにするか
 椅子からどんな表情を引き出せるか
 その実験を眺めているようだ
 存在に用途はないと
 遊び方は自由だと
 椅子を通じて教えられた気がする
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