頭のなかの空と風船

文字数 311文字

 すべての音楽は哀しいものだ
 すべての詩は哀しいものだ
 そんなぼくの偏見は
 是正されるべき謬見なのか

 明るいものは寂しい
 暗いものは意外と能天気
 そんなぼくの経験則は
 半面の真実くらいは含んでいるか

 どうだっていいんだよ
 そんなこと
 いいや違う
 とても大事なことなんだ

 街頭でアドバイスを受けた
 もっと上を向いて歩いた方がいいですよ
 だがぼくの関心は地べたに集中しており
 頭のなかの空を観察することで忙しい

 風船が飛んでいた
 色は忘れてしまった
 色なんてなかったかもしれない
 風船なんて見なかったのかもしれない
 ただ想い浮かべる空にはいつも
 つがいの鳥と
 聖化された風船
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