すぐにすべてが遠くなる

文字数 193文字

 すぐにすべてが遠くなる
 人も音も感情も
 そのとき自分が
 人間の形をしているようには思えない
 顔も手も足もない
 小さな不定形の靄
 それがそのときの自分だ
 これは生きているといえるのか
 よくわからない
 幽霊がいるなら
 どんな感覚で存在しているのか
 訊いてみたいとずっと思っている
 あるいはそのときの気分を
 自分はもう知っているのではないか
 ずっとそう疑っている
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