老衰への歩み

エピソード文字数 266文字

 結構なことだ
 老いるということは
 結構なことだ
 自然死というのは

 老衰
 時間の帰結
 避けえない枯渇
 日々に身体は死んでいく
 子どものときに遭遇する
 乳歯から永久歯への生え変わりという驚くべき現象
 口内で起きるその有限の転生にさえもすでに
 死の兆しの予言が胚胎されている
 抜けた歯を天地に還すプレ埋葬
 やがて本人の肉体すべてが天地に還るときが来る
 細胞は毎日死んでいる
 肉体は不断に生を更新しながら死を準備している

 結構なことだ
 衰えるということは
 結構なことだ
 おびただしく死んだ後の死は
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み