水葬にされながらぼくが思うこと

文字数 215文字

 水
 ぼくを満たしていたもの
 ぼくが満たされていたもの
 いま
 ぼくを浸しているもの
 ぼくの死を浸しているもの

 泡は
 ぼくの生のようだ
 ぼくの恋のようだ
 泡沫(うたかた)とは
 こんなにも愛おしいものだったのか
 こんなにも儚いものだったのか

 ぼくの身体を水が
 浸していく
 生きているときは優しかった水が
 死んだいまでは容赦なく
 ぼくの五体を侵していく

 水に侵されたぼくの魂が
 (あお)い夢を
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