泳ぐ聖堂

エピソード文字数 187文字

 クジラの形をした聖堂が泳いでいる
 祈りで満たされた光のない深海
 十字架の陣形でただよう魚群
 泡がひとつ
 ふたつ
 こぼれた愛のように浅瀬を目指す
 聖堂が水を微震させてどよめく
 クジラの形をした聖堂の皮膚が
 泳ぎながら剥落していき
 骨が見えるほど肉がこそげてしまった
 廃虚と化したクジラが深海を泳いでいる
 極大の虚無が
 神の見当たらない深海で溺れている
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