いままたひとり、詩を捧げたい人

文字数 210文字

 ぼくはずっと
 喪った人を
 去ってしまった人を
 いなくなってしまった人を想って詩を書いてきた
 いままたひとり
 詩を真っ先に読んでもらいたかった人が
 どこかへ姿を消してしまった
 たとえ寂しくとも
 その人の行く手に幸いがあるのならば
 その旅立ちを祝したいと思う
 それでも
 寂しさは枯葉のように積み重なっていくから
 未練がましいかすれ声の
 秋めいた弱さの詩を書くことを
 しばらくのあいだ許してほしい
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