ふとしたときにしか

文字数 157文字

 古本屋までの通り道に
 たびたび見かける浮浪者がいた
 道路のそばで寝転がっていた
 寒くないのだろうか
 痛くないのだろうか
 たびたびそう思って
 声もかけずに通りすぎた
 いつのまにか見なくなった
 あの人
 まだ生きているのだろうか
 ふとしたときに思い出す
 ふとしたときにしか思い出せない
 ふとしたときにしか優しくなれない
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