窓ガラスの向こう

エピソード文字数 366文字

 窓ガラスの向こう
 仲睦まじく人々が
 ささやくように言葉を交わしている
 その内容も音も
 窓ガラスのこちら側には聴こえない

 窓ガラスの向こう
 感情豊かに人々が
 哀しむように泣いている
 喜ぶように笑っている
 その内容も表現も
 窓ガラスのこちら側には
 不可解で意味がわからない

 窓ガラスの向こう
 人生と呼ばれるなにかがあるらしい
 常に動いているらしい
 窓ガラスのこちら側には
 どうやら見当たらないようだ
 ここは無音で静止している
 人生と呼ばれるなにかから
 ガラスで隔てられて

 窓ガラス
 薄皮一枚の
 透けた境界
 割るべきか
 砕くべきか
 いつか割れるのか
 いつか砕けるのか
 それを自分は望んでいるのか
 そうなる前に死にたいのか

 窓ガラスの向こう
 そこにもきっと死はあるだろう
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