マンホール

エピソード文字数 320文字

 歩道を歩いていると
 マンホールの蓋が開いていて
 通りがかる人たちが次々に落ちていく
 マンホールの蓋が開いてますよと
 ぼくが往来でいくら叫んでも
 マンホールの蓋が開いてるわけないさと
 人々は聞く耳を持たず
 そうしてまた一人
 マンホールの穴に吸い込まれてしまった
 歩幅が大きいおれは大丈夫さと
 マンホールに落ちながら言い残した男
 うつむいて歩く私は大丈夫よと
 マンホールに落ちながら言い残した女
 そうしてなんということだろう
 ぼくの足もまた次第にマンホールへと近づいているではないか
 そこに穴があるのはわかっている
 そこに穴があるのはわかっている
 それでも落ちることを避けられない
 落ちる運命をもぎ離せない
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