肥大していく自意識のような手紙のような詩
文字数 951文字
手紙の代わりに
詩を書きました
とてもとても暗い詩です
あまりに暗いので
あなたには見せられません
でも正直に綴りました
だからやっぱりあなたには見せられません
そんな心配はしなくても
どうせ届くこともないでしょう
あなたにはもう
ぼくの声は伝わりません
二度と関わることもないでしょう
月よりも遠くに感じます
でも月のように
こころの暗闇にいつも浮かんでいます
たぶんあなたは
ぼくのことを思い浮かべもしないだろうし
顔もなにもかも忘れたかもしれませんが
ぼくはあなたの言葉さえ
一言一句きざまれているくらいだし
この落差は
たしかに月と人間のようです
だって月は
人間なんて気にしないでしょうから
どれだけ人間が
月に焦がれて関心を注いで
夜毎に見つめ
憧れて
ついには宇宙船でたどりついて
偉大な一歩を踏みしめても
月は
太陽よりもはるかにちっぽけな人間のことなんて
気づくことすら難しいでしょう
しかしこれではまるであなたを人非人扱いですね
月のように懐かしく慕わしいと
そう言いたかったはずなのに
月のように隔たっていると
そんなことしか言えないとは
ぼくの詩はいつもこうなのです
最初の想いはすっかりダメになってしまって
急に現れた暗雲に乗っ取られるのです
ぼくとあなたのあいだに暗雲が立ちこめたのは
いつからでしょうか
雲に覆われた月は
なぜあんなにも魅惑的に輝くのでしょうか
これではいつまでも埒があきませんね
筆を置くことにします
手紙を終えるように
命も終えられたらいいのに
P.S.
自殺をほのめかしているわけではありません
いや実はほのめかしました
でもあなたにほのめかしたわけではなくて
自分へのメッセージなのです
どうせこれはあなたに届かない手紙代わりの詩なので
やはり最後は自己との対話になるのです
ぼくがぼくに言いたいことは
早く死ねばの一言につきるのですが
なぜだかまわりくどく迂回して
愚痴っぽい詩をつくってしまうのです
詩を断ち切るように
命も断ち切れたらいいのに
P.P.S.
念押しですが自殺をほのめかしているわけではありません
詩を書きました
とてもとても暗い詩です
あまりに暗いので
あなたには見せられません
でも正直に綴りました
だからやっぱりあなたには見せられません
そんな心配はしなくても
どうせ届くこともないでしょう
あなたにはもう
ぼくの声は伝わりません
二度と関わることもないでしょう
月よりも遠くに感じます
でも月のように
こころの暗闇にいつも浮かんでいます
たぶんあなたは
ぼくのことを思い浮かべもしないだろうし
顔もなにもかも忘れたかもしれませんが
ぼくはあなたの言葉さえ
一言一句きざまれているくらいだし
この落差は
たしかに月と人間のようです
だって月は
人間なんて気にしないでしょうから
どれだけ人間が
月に焦がれて関心を注いで
夜毎に見つめ
憧れて
ついには宇宙船でたどりついて
偉大な一歩を踏みしめても
月は
太陽よりもはるかにちっぽけな人間のことなんて
気づくことすら難しいでしょう
しかしこれではまるであなたを人非人扱いですね
月のように懐かしく慕わしいと
そう言いたかったはずなのに
月のように隔たっていると
そんなことしか言えないとは
ぼくの詩はいつもこうなのです
最初の想いはすっかりダメになってしまって
急に現れた暗雲に乗っ取られるのです
ぼくとあなたのあいだに暗雲が立ちこめたのは
いつからでしょうか
雲に覆われた月は
なぜあんなにも魅惑的に輝くのでしょうか
これではいつまでも埒があきませんね
筆を置くことにします
手紙を終えるように
命も終えられたらいいのに
P.S.
自殺をほのめかしているわけではありません
いや実はほのめかしました
でもあなたにほのめかしたわけではなくて
自分へのメッセージなのです
どうせこれはあなたに届かない手紙代わりの詩なので
やはり最後は自己との対話になるのです
ぼくがぼくに言いたいことは
早く死ねばの一言につきるのですが
なぜだかまわりくどく迂回して
愚痴っぽい詩をつくってしまうのです
詩を断ち切るように
命も断ち切れたらいいのに
P.P.S.
念押しですが自殺をほのめかしているわけではありません