鼻血を見ながら思った

文字数 189文字

 鼻血で顔の下半分が
 真っ赤に染まっていた
 それを見て思った
 血は一瞬だけ綺麗だと
 ティッシュを渡してあげながら
 なおも思った
 血はわれわれの内実だと
 鼻血を拭われた顔を見ながら
 なおも思った
 血の痕跡は消せないのだと
 拭ったはずの血は
 どこかに必ずこびりついている
 よって
 死の隠蔽は
 必ず破綻する
 そうであってほしい
 隠された血は痛ましいから
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