見放された詩

文字数 222文字

 詩の言葉はどれだけ錯乱していて不明瞭でも
 自分にだけは通じると思っていたのに
 明らかなつまずきによって
 叙情も論理も分裂した詩を書いてしまって
 ついにみずから見放してしまった

 詩人からも見放された
 かわいそうな詩
 虐待された言葉
 なぜ生まれたのかと問えば
 失敗のためだと唾をかけられる
 報われない被造物

 なにかを創るということは
 残虐非道な神としての
 ごろつきのような父性を強いられる
 そんな危険と隣り合わせだ
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