ポケットのなかの冬と夏

文字数 150文字

 ポケットに冬を入れて
 砂場の外に旅立った
 破れ目から風が吹き込む
 ポケットのなかに雪が降り
 ぼくの頭上は雲ひとつない晴天だった
 この世界をポケットに入れた持ち主は
 ぼくと違って
 夏を選んだらしい
 ポケットのなかのぼくのポケットには
 夏のなかの冬がある
 炎天下の吹雪が渦巻いている
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