外は牢獄
文字数 245文字
外が牢獄に思える
鉄格子はない
塀もない
晴れわたった青空と
どこまでもつづくような道
木漏れ日を泳ぐような子どもたち
路辺で風に揺られる花々
穏やかな正午の外景
この景色を目の当たりにして
牢獄のようとしか感じられないのは
いかなるこころの作用によるものか
通りすぎる人たちとの隔たり
光さすありふれた日常との乖離
とらわれるまでもなく
ぼくは影絵の囚人だ
認識による服役囚だ
広やかな並木道を歩いていても
独房の四辺をなぞっているにすぎない
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