金縛りの思い出

文字数 359文字

 金縛りにあったことがある
 なのにほとんど印象に残っていない
 幽霊に会いたいと望む身としては
 願ってもない怪奇現象
 なのにほとんど印象に残っていない
 動けないなと思って
 なにかが近づいてくるような気配がして
 そのあとたしか
 寝てしまった
 だから夢だったような気もする
 でもあてにならない記憶によれば
 夢ではなかったような気がする
 まだそのときは起きていた気がする
 なのにほとんど印象に残っていない
 金縛りにあったと日記に書いて
 すぐに忘れて
 ずいぶん経って
 日記を読み返して
 そうだそうだと思い出した
 なのにほとんど印象に残っていない
 あのときなにが
 近づいていたのだろう
 見たかったな
 気配の正体を
 また起きないかな
 金縛り
 見てみたいんだ
 死に近づけるなにかを
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