吹く風は

文字数 202文字

 吹く風は
 涼しくもあるか
 おのづから
 それは実朝の和歌
 殺された詩人の詩
 続きの下の句をいつも忘れてしまう
 自分にはこれだけで十分だ
 その言葉だけで
 詩を遺してくれてありがとうと
 殺された詩人に感謝したくなる
 たびたび思い浮かぶ言葉
 死ぬまで忘れないであろう言葉
 そんな詩は本当に貴重で大切で
 言葉を慈しみたくなる
 風はさやかで
 こころもそぞろ
 死者にも風は届くと信じている
 気まぐれな恩寵と知りながら
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