長篇詩のように

文字数 349文字

 絵はどこで完成なのだろう
 色が塗られていないラフスケッチの方が
 魅力的な場合もある
 詩もまた
 どこが止め時かは詩人の判断による

 俳句なら十七字という額縁があるが
 定型を持たない詩は
 続けようと思えばいくらでも続く
 ただ詩の言葉そのものが
 相応の長さを要求する
 手探りでそれを探すしかない

 でも探り当てたその長さは
 本当に正しいのだろうか
 延々と続く長篇詩は
 どこかで無理をしなければ作れない
 それによって新たな局面が開けることもあるだろうが
 言葉の緊張は保てるだろうか
 程よい長さで終わらせてしまうのは
 潔いことなのか
 怠惰な甘えに過ぎないのか

 なんにせよ自分の人生は
 俳句のようにすっぱりは終わってくれず
 ぐずぐずの長篇詩のように間延びしていく
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