ボトルシップ
文字数 339文字
瓶の中に碇泊している帆船
初めてボトルシップを見たとき
胡桃 の中の世界を覗き見たような眩暈 に襲われた
帆船のマストをよじ登り
彼方まで広がる海原 を見晴るかす
まだ見ぬ大陸を夢みながら
でもそこは瓶の中なんだ
きみの希望を託された紺碧 の海は
きみの全世界といえる永遠の青は
きみの苦手な酔っ払いの船員が持ち歩く
あの酒瓶と同じ程度の広がりしかないんだ
きみの夢はそんなものなんだ
そしてきみはある日に夕暮れの海洋と死に魅せられて
自ら帆船を飛び降りてしまう
でもきみの死を包むはずの永遠は
瓶の中の海でしかなかった
世界の果てのガラスにようやく気づきながら
きみは虫けらのようにもがきながら溺れ死ぬ
初めてボトルシップを見たとき
帆船のマストをよじ登り
彼方まで広がる
まだ見ぬ大陸を夢みながら
でもそこは瓶の中なんだ
きみの希望を託された
きみの全世界といえる永遠の青は
きみの苦手な酔っ払いの船員が持ち歩く
あの酒瓶と同じ程度の広がりしかないんだ
きみの夢はそんなものなんだ
そしてきみはある日に夕暮れの海洋と死に魅せられて
自ら帆船を飛び降りてしまう
でもきみの死を包むはずの永遠は
瓶の中の海でしかなかった
世界の果てのガラスにようやく気づきながら
きみは虫けらのようにもがきながら溺れ死ぬ