土葬にされながらぼくが思うこと

エピソード文字数 459文字

 狭いなあ
 息苦しいなあ
 もう死んじゃってるし
 息なんかしてないけど
 こんなに狭くちゃ
 死者だって息がつまるよ
 ぼくの棺ってもしかしてSサイズ?
 こんなことならケチらずにXLにしとけばよかった
 燃やされるのは気がすすまなかったけど
 ここで腐り待ちってのもなんだかね
 ああ暗い
 暗い暗い
 生きてるときも暗かったけど
 光を掴めるような気がするときもあった
 いまはもう光が差す希望なんてない
 希望のない暗闇ってなんて暗いんだろう
 暗鬱なぼくですら
 なんにもわかっちゃいなかったんだな
 死って暗いんだ
 本当に真っ暗なんだ
 お腹の中にいるときも暗かったけど
 生まれるという希望の
 もしくは絶望の
 始まりをただ待っていた
 いまのぼくはなにを待っているのだろう
 腐ること
 腐ること
 腐ること
 腐れ果てたあと
 ぼくになにが残る
 生まれるというような希望が
 もしくは絶望が
 この先にまだ待っているのだろうか
 先なんてないはずの死者であるぼくは
 なにを待っているのだろう
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