夜の静寂

エピソード文字数 277文字

 静かだ
 そう思うのは何度目だろう
 静けさを感じているときにしか
 生きる実感を見出だせない
 大好きな音楽でさえ
 静けさを輝かせるための黒子
 音楽が鳴りやんだときの
 あの背筋を走り抜ける静寂
 聖霊に充たされた詩を読み終えたときの
 言葉を喪った清らかな沈黙
 廃虚より好ましい建物はない
 そこは静かで死んでいるから
 図書館より好ましい空間はない
 そこは静かで死んでいるから
 彼女とのこころ躍るさえずりあいも
 ふたりで包まれる
 宝石のような沈黙にはかなわない
 静かだ
 今夜はとても静かだ
 ぼくの魂は
 静寂にしか耳を持たない
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