大つごもり

エピソード文字数 252文字

 年の瀬に
 そろばん勘定で神は大忙し
 さて今年は
 何人の人間が死んだだろう
 何人の人間が
 新しい年を迎えずに眠るだろう
 何人の人間が
 孤独をかこちながらうずくまるだろう

 それとも神は
 数えることなどしないのだろうか
 数字になった死者を否定して
 名前すら覚えずに
 個人を個人たらしめるなにものか核のごときものを
 眼ではない眼で見つめるだけか
 御手で無情に包むだけか

 年の瀬に
 人の動きはざわめいて
 みはるかす
 死者を減らす努力とは無縁の
 数学の苦手な神の大つごもり
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み