バター

文字数 283文字

 虎がぐるぐるまわっているうちにバターになる
 絵本というのは不思議な時空だ
 奇々怪々なそんな現象が
 当然のように起こる
 なんでバターになったんだ?
 そんな疑問を持ったのは
 後々になってのこと
 ぐるぐるまわっているうちにバターになるというのは
 なぜだか妙な説得力があった
 バターをたっぷり塗ったトーストの天国的な味を思い浮かべると
 バターになってこの世を去るのも悪くない気がする
 ぐるぐるまわってバターになろう
 ぐるぐるまわってバターになろう
 みんなで一緒にぐるぐるまわれば
 だれがだれだか溶け合ってわからない
 平和で柔らかなバターの世界
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