ハーブティー
文字数 398文字
初恋の死体が客間に転がっている
急の来客により
とりあえず浴室に放り込む
お慕い申し上げている相手とハーブティーを楽しむ午後のひととき
なんだかこのお茶、血の味がしますね
なぶるように笑っている来客の一言
気のせいですよ、と答えながらカップを持つ手が震える
浴室の方からなにかが倒れるようなけたたましい物音
オットセイが寝返りを打ったような、いまの音はなんでしょう
気遣わしげに笑っている来客の一言
猫でも迷いこんだかな、とヤケクソになりながら窓の外を眺める
べとついた足音が客間に迫る
振り返ると
初恋の死体が扉を開けて入ってきた
惨たらしくも美しく死んでいる、この方はどなたでしょう
笑いながら怒っているような来客の一言
もういいや、きみも座りなよ、と諦めて初恋の死体にお茶を用意する
そのかわりハーブティーを飲み終わったら
ちゃんとまた死んでくださいよ
急の来客により
とりあえず浴室に放り込む
お慕い申し上げている相手とハーブティーを楽しむ午後のひととき
なんだかこのお茶、血の味がしますね
なぶるように笑っている来客の一言
気のせいですよ、と答えながらカップを持つ手が震える
浴室の方からなにかが倒れるようなけたたましい物音
オットセイが寝返りを打ったような、いまの音はなんでしょう
気遣わしげに笑っている来客の一言
猫でも迷いこんだかな、とヤケクソになりながら窓の外を眺める
べとついた足音が客間に迫る
振り返ると
初恋の死体が扉を開けて入ってきた
惨たらしくも美しく死んでいる、この方はどなたでしょう
笑いながら怒っているような来客の一言
もういいや、きみも座りなよ、と諦めて初恋の死体にお茶を用意する
そのかわりハーブティーを飲み終わったら
ちゃんとまた死んでくださいよ