木枯らしの詩人

文字数 167文字

 好きな詩人の言葉は
 いつもどこかしら哀しい
 いつもどこかしら寂しい
 木枯らしが
 詩句の隙間を吹き抜けて
 枯葉みたいに変色した言葉に
 かぎりなく優しい沈黙が伏せられて
 言わなかった愛が
 名指せないだれかを許している
 その慎みは
 過去に流せなかった涙を
 言葉が代わりに引き受けたような
 そんな温もりを伝えている
 痛みを見つめる眼とともに
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