自虐詩

エピソード文字数 479文字

 こんなに暗い詩を
 だれが好んで読むのだろう
 ぼくだって読みたくないよ
 こんな陰鬱な言葉の連なり
 しかも無駄に量は多いし
 くだらない思いつきばかりで
 単語の選びもリズムもワンパターン
 モチーフだって死の一点張り
 暗いわりに重みはないし
 そりゃ詩人って名乗るのは自由だけど
 向いてないんじゃないの
 言葉に愛されなかった詩人は哀れだね
 少しは人を喜ばすようなものを書いたらどうなの
 きみがそれほど恋い焦がれてる詩神だけど
 最近すてきな恋人が出来たそうだよ
 きみが終生忘れられなくとも
 向こうはとっくに忘れてるだろうね
 本当に哀れだよ
 そんなに死にたければさっさと死ねば
 自殺者の書いていた詩ということなら
 一部の物好きは読むんじゃないかな
 もちろんきみの言葉に興味があるんじゃなくて
 きみのありふれた悲惨に好奇心がわいただけだよ
 それも二日で忘れられるけどね
 なにせありふれているから
 あの世に行ってからも詩を書くつもり?

 と
 自らに罵倒されながら
 まだ生きているぼくは
 まだこの世で暗い詩を書いていた
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