電線

文字数 153文字

 電線が空中で交差して
 蜘蛛の巣のような幾何学を営んでいる
 そこには秘密があった
 祈りの最中にある人間の脳波のような
 個人的な電気信号が
 商店街の頭上をかけめぐっていた
 街の秘密
 都市の意志
 電線はぼくの友達ではないが
 頭上にはぼくの伴侶がいた
 信仰と科学を
 眼のない鳥が仲介していた
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