哀しい女性

エピソード文字数 224文字

 その女性は哀しい
 見ているだけで哀しい
 海を見つめる彼女は哀しい
 涙ぐみながら笑う姿が哀しい
 ぼろきれをまとって踊る様が哀しい
 パレードに眼を輝かせる無邪気さが哀しい
 修道女になりそこねる経緯が哀しい
 気の触れた男の慰めに
 救われた後の惨事が哀しい
 瓦礫の傍で見捨てられるのが哀しい
 数年前のある朝つめたくなっていたという
 伝え聞きによる死の報告が哀しい
 いつも歌っていた調べが哀しい
 その女性は
 思い出すだけで哀しい
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