殺意の矛先
文字数 356文字
十代半ばのころ
人と接するのがあまりにも苦痛なので
自分には三つの道しか残されていないような気がした
浮浪者になるか
犯罪者になるか
自殺者になるか
どれも暗澹たる未来であるはずなのに
そう考えるとなぜだか慰められた
いまもそのころとあまり変わりはないけれど
少しだけ違うのは
そのころの自分は人を殺してみたいという好奇心があったので
犯罪者になるとは殺人を犯すということだったが
いまではむしろだれひとり殺されなければいいのにと思うようになった
当時もそうだったのかもしれないが
もてあました激情を殺意だと勘違いしていた
それともやはりあれは殺意だったのだろうか
いまも殺意のような感情はくすぶっているけれど
殺したいのは他人ではなくて
なにか別のもののような気がしている
人と接するのがあまりにも苦痛なので
自分には三つの道しか残されていないような気がした
浮浪者になるか
犯罪者になるか
自殺者になるか
どれも暗澹たる未来であるはずなのに
そう考えるとなぜだか慰められた
いまもそのころとあまり変わりはないけれど
少しだけ違うのは
そのころの自分は人を殺してみたいという好奇心があったので
犯罪者になるとは殺人を犯すということだったが
いまではむしろだれひとり殺されなければいいのにと思うようになった
当時もそうだったのかもしれないが
もてあました激情を殺意だと勘違いしていた
それともやはりあれは殺意だったのだろうか
いまも殺意のような感情はくすぶっているけれど
殺したいのは他人ではなくて
なにか別のもののような気がしている