塔と橋

文字数 207文字

 外国語なんて
 一生わからないと思ってたけど
 翻訳で繰り返し読んだ作品の
 原典をぱらぱらめくってみたら
 言葉が親しげに語りかけてきた
 なんだか不思議な感覚だ
 バベルの塔が崩れてしまって
 言葉がすっかり乱されても
 言葉と言葉のあいだに架けられた
 橋はいまだに崩れていない
 権勢を誇る塔よりも
 他者へとつながる橋こそが
 人間には必要なのだと
 原文と訳文を見比べながら
 そんなことを考えている
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