音のない朝

文字数 181文字

 音のない朝
 記憶は遅刻中
 過去がないような寝ぼけた意識
 神がいないような古ぼけた空気
 横たわる棒のような自分
 空間がサイコロステーキのように細切れ
 居場所はない
 この檻のような臥所(ふしど)だけ
 たれか思ひ煩ひて身の長一尺を加へ得んや
 自分の領する空間を
 広げることはできない
 居場所はない
 どこにもない
 音のない朝
 記憶は遅刻中
 排除された寂しさは
 二年前から行方不明
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